ページ

2013/02/04

祈りの物語

今、脚本をずっと考えています。

CAPRIファンの方にはちょっと申し訳ないけど

外部作品です。

初めての脚本の依頼。

やはり勝手が違います。


CAPRIで書くときは

『中村公美』という絶対的な主人公がいました。

それはCAPRIの在り方として当然です。

この中村公美をどう魅せようか。

どう面白く、可愛らしく、美しく魅せようか。

この絶対的制約があったからあの3部作は産まれたのだと思います。

アテガキというやつですね。

ヒューマンファンタジー3部作 平義隆×CAPRI企画は

キャストに完全にアテガキしています。

まず公美ちゃんとキャストを決めて

それから脚本を書いてます。


ただ今回は違う。

キャストが決まってません。

まず物語があってそれからキャスティング。

たぶんこれが普通なんでしょうが・・・

いかんせん経験も知識も能力もぺーぺーのルーキーなので

このちょっとした違いにも四苦八苦。


「誰に何を書いていいのか・・・」
「僕が誰の何を観たいのか・・・」

そんなことで躓いたりしてます。


「え?じゃ、俺からっぽなの?」

って思ったりもしたんですが

やっぱりそれは違った。


書きたい物語はありました。


以前、(旧煩悩スマッシュですが)

復讐の物語が書きたい、怒りの物語を、悪の物語を書きたい

と言っていました。


どうやらそれは違いました。


ヒューマンファンタジー3部作、全作貫いた想いがあります。

それは「祈り」です。


世の中には言葉で表せないような不条理や残酷がひしめき合っています。

僕は常にそれらを恨みます。そして常にどうにも出来ない自分に失望します。

一時期はそれらの怒りをぶつけた作品を描きたいと思いました。


でも作品を書くチャンスをいただけた今

改めて書く事を見つめた今


僕はこの常に付きまとう不条理を、残酷を

「怒る」ことじゃなく、「呪う」ことじゃなく・・・

「祈る」ことで昇華したい。


3部作を書いた頃の自分と何も変わっていない自分がいます。

これは成長をしていないのだろうか などと考えたりもしましたが

多分これは性分。


ありえない。ありえないけれど・・・

みんな幸せでありたい。


あまちゃんです。解ってます。

でもいいんです。

嘘ついてないから。


だから次に書く物語も「祈り」の物語です。


祈りはとても悲しいです。とても寂しいです。

でも少し温かく、少し優しくなれます。

それで今の僕はいいのだと思います。


1 件のコメント:

  1. わたしはいつまでも根に持って「恨み言」を言ったり怒ったりしてしまうタイプ。。。


    皇史朗さんのように全ての幸せを願える人に対して、憧れと尊敬と そして悔しさを感じちゃいます。

    『祈り』の物語。楽しみにしてます。

    返信削除