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2014/10/15

大きな流れと先輩と僕

今日は宮崎で某CMの撮影でした。

光栄な事にグリンコープに続き

【りゅう雅登】氏と親子共演。

朝日が昇る前から撮影準備。

待ち時間が結構あり、色んな話を氏と沢山した。

親子どころか、孫ほど歳は離れているが

これが楽しくて楽しくて仕方が無い。


なぜこんなに楽しいのか。

話している印象として

役者同士として話しているというより

「学者」「専門家」「研究者」

と話している気がするからです。


りゅう氏の中に明確に流れる体系と理論。

視野を狭めることの無い精神。

そして何と言っても人間的なユーモア。

それでいて、気品というか気概というか

それは年輪からくるものなのか、ある時代を生きた人だからなのか

揺れ動いた時代を、情熱を掲げ突き進んだ人だからなのか

真剣に常に「人とは何か」「生きるとは何か」哲学というか人間学を飽きることなく「行ない続けた」人だからなのか

あまりにも誤魔化す事に慣れすぎた「今の時代」とは「別の時代」の人間。

人間の「質」が全く違う。


「役者とは人間の専門家」


まさしくそれを体現しつつ、いまだ研究し続けている人だ。



氏の一番好きな言葉は「醗酵」

愛とか絆とか希望はあまり好まないらしいw

それにはもちろん理由があるわけだが割愛。秘密。
(ちなみに尋ねられた僕は「錆」これも割愛。秘密。)

他にも

高田豊三氏と共演された話。

劇団夢工房の石川蛍氏との青春時代の話。
(どちらの先輩も僕と縁がある。
高田先生は夏目漱石の「坊っちゃん」で共演し、CAPRIの【gift】で出演して頂いた。最高の「師匠」を演じてくださった。
石川蛍氏の本名は僕とおなじ「こうしろう」で夢工房のお芝居に出演させて頂いた。昔は鬼の様だったと聞いたが、僕はとても柔和な印象をうけた。
お二人とも残念ながらお亡くなりになられた。今思えば袖をひっぱてでも付き纏っておけばよかった。)

まだまだある。

学生運動・新劇とは何か・アロンアルファで歯を固定・睾丸は4つある・インドの黒いおばさんは仕事中にも眠たい時に寝る・etc...(ユーモアを交えてちゃんと真面目にはなしてます)


大先輩が気さくに語る昔話のような、つい先日のような話が

僕にこの「お芝居」の世界に居所をくれているような気がして

僕にルーツをくれるような気がして

なんだか今まで僕が歩いてきた道が

先輩方に申し訳ないような、恥ずかしいような

嬉しく切なく有難い気持ちになった。


例えるなら

「お前はな、俺たちの孫だ。これこれこんな事があって、それからお前が産まれたんだよ。」

と祖父が語ってくれたような感覚だった。


肉親以外にも僕は祖父を持つことが出来のだ。(こんな事言うとりゅうさんに怒られるかもしれないが)

嬉しくて仕方が無い。





「現場」という一点だけ交わる繋がり。


その一点のみの繋がりだからこそ

慎重に言葉を選び、言葉を訊き、また新たに発見をすることが出来る。
(氏は最大の喜びは「やはり発見ですね」と言っていた。)


原理・理論・本質・探究・激動・情熱・責任・使命・・・そういった言葉が氏と話していて心によぎった。


今、そしてこれから、僕は氏の本質に近づけるだろうか。

氏の孤独と愛と探求に追いつけるだろうか。
(あ、愛は嫌いか)


僕はあまりに幼く無知で世界知らず。


今はそれが嬉しくて仕方が無い。




最後に生意気をひとつ。

後輩の皆さん、先輩を大切に。

僕らは大きな流れの一つです。

先輩の背中をよく視てください。

そしたら自分がよく視えます。

その先を歩くかは僕ら次第。





僕は歩く。

いつも探しながら。

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