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2019/02/02

君と僕

最近、【演劇に関するアンケート】なるものをとっている。


↓↓↓↓↓[参照]↓↓↓↓↓

【演劇に関するアンケート⑴】2日(日)締め切り

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ある役者さんから「皇史朗さんは、何のためにそんな事をするんですか?」と聞かれた。

だから何でアンケートなんかをとりだしたか、書きます。

特に『これから演劇の世界で、俳優の世界で生きていきたいと夢を持つ、若い子たち』に向けて書きます。

ちょっと長くなるけど、聴いてほしい。



《 演劇で生きていきたい君へ 》



まず、僕の話をさせてもらうね。

どんな言葉も、誰が言ったかが大事だから、僕の事を少しだけ知ってもらいたい。

君にとって【知らないおっさん】じゃなくて、【ちょっと知ってるおっさん】になって欲しい。

いや、そんなん良いから本題に入れよって人には、読み飛ばしやすいように【ここから】【ここまで】ってしるしをつけておくね。


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僕の名前は鶴賀皇史朗。

福岡県出身。38歳。独身。

俳優。脚本家。演出家。和太鼓奏者。

福岡を拠点に舞台活動や演奏活動、ナレーションなどをやっていて、芸歴そろそろ20年のいわゆる中堅どころの地方演劇者だ。


高校を卒業して12年間、当時流行りだした職業?フリーターというものをやっていた。

2001年、たまたま応募した(嘘のようだけど、当時同居していた男友達が新聞の募集をみつけ推薦)福岡の商業劇場【博多座】のオーディションに合格し、全く舞台なんてやった事ないけど、準主役級のいわゆる『良い役』に合格してしまった。

ポッと出たお陰で、意地悪な先輩役者から、かなりイジメられた。

今までやった事のない演劇の世界で、誰も仲間がいないなか、陰湿ないびりは結構キツかった。

みんな敵に思えていた。

「尖ったナイフのようだった」と当時の僕を知る先輩はいつも話のネタにする。

そしてハードなスケジュール。

深夜のコンビニのバイトをしてたし、稽古の前後にも偉い方々とのお付き合いも沢山あった。(でも、ハタチそこそこのお兄ちゃんが食べられない美味しいものを沢山食べさせて貰ったので、それはそれで良い思い出だ。)

そんな初体験満載の目が回るような生活に、身体が耐えられなかったのか、僕は本番直前に顔面麻痺になった。

側頭部に激痛が走り、みるみる顔がかたまり、即入院。

本番が出来るのか微妙な時期だった。

回復の様子をギリギリまでみることになり、まだ麻痺が残ってたけど、演出家の先生が「それでも、こいつでいく」と言ってくれたから、なんとか舞台に立てた。

その後、麻痺は殆ど治ったけど、今でも後遺症で、疲れが溜まると右の顔が硬くなる。

それから20年弱、芸能事務所に所属したり、劇団を立ち上げて解散したり、ユニットを立ち上げ頓挫したり、地方発のドラマやラジオに出たり、CM出演やナレーションをやったり、太鼓を打ったり、演技を教えたり、舞台の脚本や演出をやったりしながら生きてきた。

そして今、僕は細々ながらも、この業界で「食っている」。


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これが僕の20年のあらまし。

【ちょっと知ってるおっさん】になってくれたかな?

そんな僕が、ここの所ずっと、いや、演劇を始めてからずっと考えている事がある。


『どうして演劇というのは、こんなにも食えないのか』だ。


20年前、僕が演劇始めた頃、《今と同じように》大多数の演劇人は食えてなかった。(バブルの頃は流石に良かったらしいが、やはりバブルはバブルだ。異常事態だったんだ。)

《今と同じように》だ。ここ重要。

20年前。

「いや~、最近は演劇熱いよ。良くなるよ。盛り上がるよ。」と先輩の演劇人は言っていた。

20年経った今。

【変わっていない】

それがずっと演劇と一緒に過ごしてきた僕の感想だ。

正確には

【時代】は変わったけど、【演劇のフィールドや性質】は変わっていないってこと。

インターネットが普及し始めて、ホームページ、ブログ、ミクシィ、ツイッター、フェイスブック、インスタグラム、ティックトック、クラウドファンディング、etc.と爆発的に【時代】は変わってきた。

ものすごい速度で時代はアップデートされている。

いわゆる【情報革命】ってやつだね。


でも、演劇自体が持つ【性質】は殆ど変わっていない。


どんな性質か。

【非生産性】だ。


正確には【商業的視点から見た生産性の悪さ】だね。(文化的視点から見ると、演劇はとてもとても生産的な性質をもってるよ。)


君も演劇をやった事があるなら分かるだろ?


演劇ってさ、一つの作品を創るのに、膨大なエネルギー(時間・労力・資金)を費やすんだ。(この燃焼が演劇の魅力のひとつでもあるけどね)

1ヶ月から3ヶ月、長い所では半年かけて稽古をし、【数日間の劇場公演】で、終わり。

少ない予算ではキャストのギャラなんて微々たるものだ。

いや、貰えない所もあるんじゃないかな。


この辺りの数字は今アンケートを取っているから、是非アンケートに答えて参考にしてほしい。

↓↓↓↓↓[参照]↓↓↓↓↓

【演劇に関するアンケート⑵】
《出演本数と拘束期間について》

【演劇に関するアンケート⑶】
《チケットの販売枚数と出演料について》

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具体的な計算はアンケートが終わったらまた詳しくするね。


よほどの商業ベースで活動・スポンサードされている劇団(劇団新感線・大人計画・劇団四季など)でないと、公演でのペイは難しい。

そしてほとんどの地方演劇者は「有名人」ではないので、スポンサードされ辛いんだ。(助成金って選択肢もあるけど、それにも限りがある)


何が言いたかったかって言うと、


演劇というものは、元々のその仕組みが「食べられない」もしくは「非常に食べづらい」んだ。


【仕組みから破綻】してるんだ。


でも僕らは、あの華やかなステージに憧れる。

あんな風になりたいと、強烈に夢見て胸を焦がす。


ただ、どうしようもなくこの業界は多くの夢の残骸の上に成り立ってる。

沢山の沢山の【出来なかった】【諦めた】の上にある。(この辺りのことも、大人の世界のことも、また書くね)


だからアンケートをとることにしたんだ。


僕らが夢描く演劇の世界の本当の姿がみたい。

『なんとなく』ではなく、『数字』で。

そして、その数字・事実から、演劇に対する概念を今一度考え直したいと思っている。

僕はこの結果を持って、新しいプロジェクトを立ち上げようと思ってるんだ。よかったら頭の片隅に置いておいて。

でも、このアンケートの結果は僕のプロジェクトと切り離しても、とても有意義だと思う。

特に、これから俳優や演劇で生きていくことを目指す君達には、大きな道しるべになるんじゃないかな。



「何のためにそんな事をするんですか?」


「後輩のため、演劇のため」


と僕は答えた。


でもね、本当は「僕の為」でもある。


君たちはね、若かった「あの日の僕」なんだ。

右も左も分からないけど、熱烈に舞台や映像に憧れ、夢見ていた「あの日の僕」だ。


でもこの業界は不透明で掴みづらく残酷だ。

きっと君らの多くは、いつの間にか大切な時間と体力を奪われる事になる。

だから、僕のやる事が少しでも君らの助けになればと思う。

君と演劇の未来が少しでも明るくなればと思う。


それがあの日、僕をいじめていた先輩へのアンサーだ。



ごめんね。


長くって。


最後まで読んでくれてありがとう。



2019/02/02 鶴賀皇史朗



追伸

よかったら最後にアンケートに答えて、シェアしてくれると嬉しいな☆

↓↓↓↓↓[参照]↓↓↓↓↓

【演劇に関するアンケート⑴】2日(日)締め切り 急いで☆

【演劇に関するアンケート⑵】
《出演本数と拘束期間について》

【演劇に関するアンケート⑶】
《チケットの販売枚数と出演料について》

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