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2019/09/10

過ごした日々


今日、実家で飼っていた愛犬サクラが虹の橋を渡った。


『サクラがしんだぁ。しもうたぁ。』


電話越しの母の声が弱っていた。



ラブラドールの女の子。

16歳。



父が随分可愛がってた。

僕なんかよりずっと一緒だった。

気が落ちないか心配だ。

母が別れ際に居られなかった事を悔やんでた。

仕方ない事なんだよ。

動かないサクラを前に父も母も泣いていた。

僕は、泣かなかった。



ひとりっ子の僕には妹のような存在。

本当に、本当に優しい子だった。

目の前に虫がちょこちょこきても、じっと見つめて足元まで来ると、自分が避けてやるような子。

なぁちゃんにも会わせたかったなぁ。

ふたりとも優しい子だったから、仲良くなってただろな。

カミナリが苦手で、音が鳴らなくなってもしばらく部屋の隅で落ち込んでたなぁ。

あー、サクラとの事を書こうとすると、こんな事もあった、あんな事もあったと書ききれないくらい思い出が溢れてきた。

こんなにも『過ごした』んだね。

なんて、なんて宝だろう。

宝だね。

ありがとうね。

生まれてくれて。

過ごしてくれて。




あーダメだ。

遅れてやってくる。

気持ちを落ち着かせようと書いてるけど、やっぱりダメだ。

寂しいな。

寂しいよ。

わかってるよ、わかってるさ。

でも寂しいもんは寂しいし、悲しいもんは悲しいよ。



いかんでよぉ



明日、

にいちゃんがおくってやるからな。

ちょっと待っててな。



まっててね







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