今日、実家で飼っていた愛犬サクラが虹の橋を渡った。
『サクラがしんだぁ。しもうたぁ。』
電話越しの母の声が弱っていた。
ラブラドールの女の子。
16歳。
父が随分可愛がってた。
僕なんかよりずっと一緒だった。
気が落ちないか心配だ。
母が別れ際に居られなかった事を悔やんでた。
仕方ない事なんだよ。
動かないサクラを前に父も母も泣いていた。
僕は、泣かなかった。
ひとりっ子の僕には妹のような存在。
本当に、本当に優しい子だった。
目の前に虫がちょこちょこきても、じっと見つめて足元まで来ると、自分が避けてやるような子。
なぁちゃんにも会わせたかったなぁ。
ふたりとも優しい子だったから、仲良くなってただろな。
カミナリが苦手で、音が鳴らなくなってもしばらく部屋の隅で落ち込んでたなぁ。
あー、サクラとの事を書こうとすると、こんな事もあった、あんな事もあったと書ききれないくらい思い出が溢れてきた。
こんなにも『過ごした』んだね。
なんて、なんて宝だろう。
宝だね。
ありがとうね。
生まれてくれて。
過ごしてくれて。
あーダメだ。
遅れてやってくる。
気持ちを落ち着かせようと書いてるけど、やっぱりダメだ。
寂しいな。
寂しいよ。
わかってるよ、わかってるさ。
でも寂しいもんは寂しいし、悲しいもんは悲しいよ。
いかんでよぉ
明日、
にいちゃんがおくってやるからな。
ちょっと待っててな。
まっててね
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