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2014/09/27

立ち続けるという事

今年、尊敬する先輩が芝居を辞めた。

共に戦ったこともある同年代の芝居仲間が芝居を辞めた。


どちらも清々しく、何かをやり切った終わり方の様な気がする。


そんな中、有能だった後輩が芝居を辞めるとの報せを聞く。

彼も大きな決断のもと、新しい事に挑戦するという。


凄いな。


と僕は思うのだ。

とても勇気のいる決断だ。



自分に置き換えて考えると、「今は」全く想像がつかない。


というのも…20代までは


「芝居が駄目でも、人生は色んな可能性がある。俺は何にでもなれる。」


とどこか思っていたような気がする。

30代に入って早々に僕も悩んだ。



「このまま続けてていいのか」



答えは出なかった。

どう人生を歩いたら正解だったのか。

そんな事は終わってみないと分からない。

だから僕はやり残した事が無いか考えた。

考えれば考えるほど



やり残した事だらけだった。



むしろ何もやれてないと思った。

まだまだやりたい事が頭の中にあった。

だから続けようと思った。



それから僕は「何にでもなれる」と思わなくなった。



僕はもう「何にでも」にはなれない。

僕にはこれしかない。

他に道がないのだ。



なんて狭い考え方だ。

危険ですらある。

駄目だったらどうするんだ。



でも、この道でやりたい事が思えば思うほど無限にあった。

僕の道は狭いけど

「それならいいや」

と何処か開きなおった。



そしたら何だかこう・・・

いい感じになれたような気がした。

何と言っていいのか分からないけど

「これでいい」「駄目でもいい」

と思えるようになったのだ。

もちろんやるからには夢は追い続けるし、お金も稼ぎたい。



僕はあまり自身の経済事情の事はブログやSNSに書かないけど

役者って仕事はとにかく儲からない。

特に地方で舞台を中心に活動してる役者はかなりきつい。

知名度のない役者に、拘束時間に見合うギャラのある舞台なんてまず無い。

殆どの役者はバイトなり何かしながら舞台をやっているだろう。


本当に大変だ。


こんなに情熱と時間を捧げても生活出来ないのだから。

板に立ち続けるということは本当に大変なのだ。

だから僕はこの世界で生き続けている先輩を尊敬する。

歳を重ねれば重ねるほど砂を食むような思いもするだろう。

それでも心に情熱を灯し続け、歯を食いしばりながら

舞台上で背筋を伸ばし、やせ我慢をしながら立ち続けているのだ。

僕の勝手な想いかもしれないが。

でもやはり先輩は凄いのだ。

だから僕もそんな先輩に負けないようになりたいのだ。

どっしりと舞台に根を張るような、どんな風雪にも負けないような

そんな・・・



嗚呼、案の定何が言いたいか分からなくってきた。

久しぶりの煩悩スマッシュだ。



とにかく思う事は



辞めていった先輩、同僚、後輩の皆。

皆のこれからの人生が豊かであることを祈ります。

僕なんかが言うのもおこがましくて何だけど・・・


きっと大丈夫。


この厳しい業界で生き抜いてきたんだから。

鍛え抜かれたその情熱は、きっと何処でも通用すると思います。



僕はもう少しここに残ります。



いつか互いの在り方に誇りを持って、良いお酒でも飲めるといいなぁ。




よし、頑張ろう。

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